天皇杯 浦和 - 愛媛

テレビ埼玉で放送していたので、見てしまいました。
今日この試合が駒場スタジアムであることは知っていたのですが、「テレビ中継はないだろうな…」と思っていたら、さすがテレビ埼玉、きちんと放送してくれました。ただ、実況が浦和寄りなのは当然ですが聞き苦しかった。実況の方も解説の方も浦和の試合は多数見ているでしょうが、愛媛についてはきっとそんなに見ていないのでしょう。ほんの数日前に愛媛と対戦したヴェルディ好きとしては、「そんなに愛媛(=J2)を舐めてかかるとやられちゃうよ」と思いながら見ていましたが、本当にやられちゃいましたね。実況と解説の方はカップ戦の怖さで片付けようとしていましたが、J2は怖いですよ。


2年間J2を中心にサッカーを見てきましたが、J2というリーグは不思議なリーグで、チームの順位とチームの強弱(=試合の質)は必ずしも一致しない。予算がなくて選手事情が苦しいチームほど、実は良いサッカーをしています。組織だった守備、勤勉な中盤、実直なまでのサイドアタック、最後まで衰えない運動量と闘志。ただ、良いサッカーが必ずしも勝利=順位に結びつかないのは、予算があって前線に良い選手=決めてくれる選手を置けるかどうかというチーム事情だと思っています。今日の愛媛だって鳥栖だって草津だって湘南だってその他のチームだって、チームとしてはとても良いサッカーをしています。その中でチャンスを作って、それが決まれば勝利に結びつくけれど、いかんせん決まらなければ結果には結びつかずに惜しかった試合で終わってしまう。J2の順位を分けているのはサッカーの良し悪しではなく、そんな前線のディテールの違いだと感じています。予算の違いかもしれません。


そこで今日の愛媛ですが、「前線であれだけフリーにしてくれたら、そりゃ決めるよね…」という見事な2得点でした。25日にヴェルディを苦しめてくれた愛媛に対し浦和がどんな試合をするのかと見ていたのですが、見事にやられてしまいました。シーズン終盤で優勝争いをしていて少しでも選手を休ませつつ勝ち上がりたいという複雑な状況の浦和に対し、リーグ戦の順位も関係なくこの1戦に自分たちの存在意義を表したい愛媛。モチベーションの違いは明らかでしたが、個々の選手の技量の違いとモチベーションの違い、どちらが結果に多く影響を与えるのかは非常に興味深いところでした。結果はモチベーションでしたね。リーグ戦の優勝まであと一歩で、つい先日ACLの決勝を制しクラブワールドカップへの出場が決まっている浦和にとっては、天皇杯の存在意義を見つけることは難しかったのでしょう。


浦和はすぐに最終節の横浜FC戦を控えていますが、こちらも横浜FCには失うものは何もなく、その上意地を見せたいホーム最終戦ですから、浦和にとっては厳しい戦いになるのでしょうか。運命の12月1日まで、あと3日です。