横浜M - 平塚   1997.5.3   三ツ沢

スカパーのオフ企画で10年前のリーグ戦を見ています。
舞台は雨の三ツ沢、横浜M(まだ横浜FMではない)には、GK川口、DFには井原と小村、中盤には山田隆裕、そして前線には安永と城がいます。ちなみに右SBには松田直樹…。一方の平塚にはGK小島、中盤には田坂がいて、前線には野口とロペス、左サイドには元祖旅人の岩本輝がいて右サイドには現旅人の中田ヒデがいます。主審はモットラムさんです。試合も面白いのですが、このメンバーだけでもゾクゾクしてしまう試合です。スタンドにはこの4ヵ月後に電撃的に解任される日本代表監督加茂周も来ています。
ちなみにスカパーの企画は中村俊輔特集なのですが、ベンチスタートです。


で、10年後の現在のJリーグと比べてとにかくお互いに攻め急ぎというか、縦に早い。”間”や”タメ”などはほとんどなく、とにかくマイボールになったらひたすら前に急ぐ。お互いに守備が(現在に比べると)ルーズだし前に運びやすい環境でもあるのですが、それを差し引いても早い早い。でも、最後のクロスやシュートも現在に比べるとアバウトなので、なかなか得点にはなりませんが。
試合は前半岩本輝のCKから平塚が先制しますが、横浜Mが前半終了間際にやはりFKから城のダイビングヘッドで追いつきます。前半の流れとしてはボールを持って攻めるのは横浜Mですがカウンターで鋭い攻撃を放つのは平塚という展開で、平塚の狙い通りという感じでしょうか。そして後半頭から中村俊輔の登場です。


当然選手がみんな若いのですが、中村俊輔は若いと言うより幼い感じです。
後半も横浜Mが押し込みますが、高い位置で中田ヒデが横浜Mから激しい守備でボールを奪い一つ前に持ち出してロペスの足元に鋭いパスを送り、これをロペスがトラップしたところを戻ってきた小村が倒してPK。これをロペスが落ち着いて決めて再び平塚が勝ち越しました。これでさらに攻める意識の強くなった横浜Mが押し込みますがm、高く上げただけでまったく相手をケアしないDFラインの裏を中田ヒデがとって、川口との1対1を冷静に流し込んで平塚が3−1とします。さらに右を見たヒデのためてからのノールックパスで左に流れた野口にボールが渡り、野口からのクロスをロペスが押し込んで4点目。この日の川口には神が降りていなかったような…。


企画は中村俊輔特集なのですけれど、どうも画面に映るのは中田ヒデばかりです。ヒデとロペスの間にはホットラインがあるかのような、いい感じです。この時点で横浜Mが4位で平塚が11位と言われていますが、そうは見えません。中村俊輔とヒデが直接絡む場面もあるのですが、大人が子供のボールを奪うようにあっさりとヒデがボールを奪ってしまいます。最後の最後にFKから中村俊輔が決めますが、これがプロ初ゴールだそうで、貴重な場面を(10年を経て)目撃しました。それでこの試合なのか、納得です。
いや、面白い試合を見せてもらいました。試合後のインタビューでこのシーズン初ゴールをあげた中田ヒデ君が女性インタビュアーのありふれた質問に普通に答えているのが新鮮な驚きです(笑)。