天皇杯  鹿島 - Honda FC

前の試合が延長戦になったことで前半の30分過ぎからテレビで見ることができたわけですが、いろんな意味で面白い試合でした。できればちゃんとキックオフから見たかったです。


J1リーグチャンピオンの鹿島対JFLでアマチュアのホンダFCと言うことで、一昔前の欧州強国対日本代表とでも言うかのような、そんな対戦を思い出しながら見ていました。いくら「どんな試合も全力で叩け」と言われても、どうしてもモチベーションが上がりきれないように見える鹿島に対し、最初からモチベーション120%で挑んでいくであろうホンダFC(だからこそキックオフから見たかった…)。個々の技術や判断力ではいかんともしがたい差を組織と連動と頑張りで埋めていくホンダFC。ホンダFCの各選手の動き出しと最後まで衰えない(90分限定で…)運動量は本当に凄かった。さすがに延長戦に入ってからは足がつって動けない選手も出てきましたが、それでもホンダFCの頑張りは感動的ですらありました。いくつかのJリーグクラブ(ヴェルディも含む…)を破ってここまで上がってきたのは決して偶然ではないことをこの試合でも証明していたかのようです。


一昔前(10年〜20年昔)の日本代表も欧州遠征に行くと同じような試合を展開していましたね。最初は全力ではないとは言え格上の対戦相手のボールまわしのリズムについていけないけれど、試合時間と共に相手のリズムに慣れてしまえば自分たちの組織と連動と頑張りでボールを奪い攻撃を仕掛けていく。でも、惜しむらくは、組織と連動と頑張りでボールを運べるのは相手のペナルティエリア付近までで、そこから先のシュートをゴールマウスに入れる部分はどうしようもない。ホンダFCの限界は日本サッカーが抱える長所と短所の縮図のように見えてしまいました。もちろんサッカーの試合ですから、ほんの少しの運と偶然があれば勝敗は入れ替わっていたのかもしれませんが、この試合のホンダFCも一昔前の日本代表も、足りない部分は同じなのかな。


では現在の日本代表はどうなのかと言えば、やはり一昔前の日本代表に比べればゴール前を個人の技術と落ち着きでこじ開ける力は少しだけだけどついてきているのかなと。この試合の決勝点となった場面、本山〜興梠〜柳沢とつながった鹿島の3人の選手の動きとアイデアと技術の正確性などを考えれば、未来への希望も見えるかな、と。