天皇杯決勝 広島 - 鹿島

helguera2008-01-01

国立競技場に行ってきました。
試合開始前には抜けるような青空でしたが、試合時間の経過とともに雲が広がってきました。けれど1月にしては寒さもそれほどではなく、絶好のサッカー日和でありました。2007シーズンのJ1チャンピオンの鹿島と残念ながら降格が決まってしまった広島の顔合わせという不思議な対戦でしたが、日本のサッカーカレンダーも天皇杯の決勝で始まり天皇杯決勝で終わる不思議なカレンダーです。


さて試合については準決勝の異議で貰ってしまったイエローカードの累積で出場できなかった柏木選手の不在が大きかったというところでしょうか。鹿島のしたたかな強さだけが目立つ試合となってしまいました。
広島はDFラインからボールを動かして攻撃を組み立てようとするものの、ボールが前線まで運べない。サイドにボールを回してもなかなか突破まではつながらず、たまに突破できてクロスが入っても中央にはターゲットとなるような選手がいない。中央から攻撃を組み立てようとしても、柏木選手のように豊富な運動量でボールを引き出す選手もいないし、1人でボールを運べる選手もいない。鹿島が広島の速攻をケアしているという部分もあったでしょうが、ちょっと広島の攻撃には得点の可能性が感じられませんでした。


一方の鹿島は強いと言うよりもしたたかさが凄い。守備はDFラインから広島がボールを回すのを狙って前線の4〜5人が広島のDFラインの選手をサイドに追い込んでしまう。広島の意図は低い位置から攻撃を組み立てたいのに、ボールをつなぐので精一杯で、最後は前に大きく蹴りだすかGKへのバックパスしか選択肢がなくなってしまう。
逆に鹿島の攻撃はサイドチェンジを多用し、広島のプレスをかいくぐり常に前向きで攻撃を組み立てる。小笠原選手と本山選手の憎らしいくらいの落ち着きと広い視野が鹿島の攻撃に大きな変化を与えていたように感じました。


鹿島のリードで試合は進みましたが、広島の攻撃に変化をつけるにはちょっと選手層が薄すぎた感じです。交代選手も変化をつけられない中で、「やるなら戸田をDFラインに入れて、元FWの盛田を上げて中央のターゲットにするぐらいかな…」と思いながら見ていましたが、実際に広島が盛田選手を上げたのは最後の5分だけ。それ以降は盛田選手がヘディングでの競り合いに競り勝っていただけに、もう少し早く手を打っても良かったのではないかと感じました。勝敗は必ずついてしまうものとは言え、もう少し積極的に仕掛けても良かったのではないでしょうか。


10冠目までは随分と苦労した鹿島でしたが、あっという間にもう1冠増えてしまいましたね。今日の試合を見た限りでは鹿島が負ける理由はまったく見つかりませんでしたから、まさに完勝でした。圧倒的な強さとは感じませんが、とにかく隙がない。見事な鹿島の優勝でした。おめでとうございます。



「ひとつ」になるということ 大池だより