栃木 - ヴェルディ

helguera2009-07-19

栃木県グリーンスタジアムに行ってきました。
ヴェルディの試合を生スタジアムで見るのは本当に久しぶりで、2008年12月6日以来です。そう、昨年の降格が決まった味スタの試合以来です。J2だから見に行かないとかそういうことではなくて、仕事の環境とか実生活のことがいろいろと変わってしまって、試合のある日に休めないとか、試合があって休みなのにヴェルディは九州にいるとか、いろんな巡り会わせが悪くて今日に至ってしまいました。まあ、今のサッカーに関しては代表を筆頭に仕事に無理をしてまで行くほどの価値を見出していないことも事実なのですが。


そんな現在の私でしたが、やはり7ヶ月ぶりに見るヴェルディは強烈で、ゴール裏の試合前のチャントを聞いているだけでちょっとウルウルきてしまいました。特に平本一樹のチャントはやばかった。様々な事情で歌われなくなったあのフレーズを聞いたときには涙が出そうでした。そして試合が始まってからのヴェルディのゴールには、背骨から脳天まで何かが突き抜けるような喜びを感じました。戦うディビジョンがどこであるとか、相手がどこであるとかに関係なく、やはり愛するヴェルディの試合は特別です。まあ、負けたり降格が決まったりしたときのショックも特別なんですけど。


さて、久しぶりに生で見るヴェルディにはいくつもの驚きがありました。
まず、平本やレアンドロが守備をしている…。噂には聞いていましたが、前線からの平本の献身的な守備は感動ものでした。それも”気が向いたときだけ”ではなく、試合開始から終了まで、常に相手のボールを奪うことを狙い、相手のパスコースを消すために走る。ヴェルディ復帰後も苦しい時間を過ごしていた一樹でしたが、何が平本をここまで大きく変えたのだろう。もう一人のレアンドロの守備意識の高さも含めて、やはり高木監督を中心とした今年のヴェルディコーチングスタッフの変革の成果なのでしょうね。チームの方針に従わない選手は、例え中心的な選手でも使わないという覚悟を持ってシーズン序盤を戦った結果、シーズン中盤の今になってチームの中で良い意味での競争意識と協力関係が出来上がっているということでしょうか。この辺りはずっとチームを見続けてきたわけではないので、あくまで選手起用における想像ということでしかありませんが。


そのレアンドロですが、ボールを持ちすぎるのは相変わらず…。特に右サイドの河野と左サイドのレアンドロが両方ボールを持ちすぎるので、裏を狙うタイプの大黒のところにボールが入らない入らない。あれだけ常に前線で動き出しを狙ってくれる大黒がいるのだから、SBも含めてサイドの選手はもう少し早く相手のDFラインとGKの間にクロスを入れてもチャンスが作れるのではないかと思うのですけれどね。レアンドrと河野のドリブルを見ていると、どっちのゴールがボールを運ぶべきゴールなのか分からなくなる場面が何度もありました。だって、自信を持って自陣のゴールマウス方向にドリブルしていくんだもの。もう少しボールを早く離して味方を使った方が、今の大黒、平本の2トップの持ち味が生きるような気がします。


DFラインについて、無失点は立派なのですが、両SBの守備が軽いのが気になりました。特に左SBに入っていた那須川選手は相手の選手を捕まえる距離にいないので、そこにいるだけの守備でしたね。縦を切るでもなく、中を切るでもなく、相手に自由にサイドを使われていました。左の中盤にいるレアンドロが昨年にくらべて守備をしてくれるのは事実ですが、相手の選手の長い距離を走った攻撃について併走してくるほどには守備をしてくれないので大変な部分もあるとは思いますが、それでも那須川選手のあのゆるい守備では上位陣との直接対決ではいいようにサイドを使われてしまうでしょう。攻撃時の左足のクロスには良いものを持っているように思えたので、もう少し守備できちんと相手を潰してくれたらよい選手なのにと残念です。入団1年目の選手に高望みをしているのは充分に分かっていますが、あれではきついと感じました。


少しだけ栃木についても。
まずはさすがに松田監督はハードワークする良いチームを作られていますね。選手の質については運営予算との兼ね合いもありますから監督がどうすることもできない領域になってしまうと思いますが、ピッチ上の選手のハードワークにはさすがと思う部分がありました。ただ、監督会見でも語っていますが、最後の得点の部分は選手の質がものを言う部分なので、きついと思います。ハードワークである程度の守備もできるし、攻撃もチームのハードワークでシュートの近くまでいけると思いますが、最後のシュートを枠に入れるのはハードワークではなく選手のクオリティの部分によるところが大きいと思うので、これからも大変厳しい戦いが続くのでしょう。ただ、関東の各県にはそれぞれJのクラブが根付いてきている中で、栃木が北関東の群馬や茨城に遅れをとるわけにはいかないでしょうから、U字工事のネタではありませんが栃木には頑張ってもらいたいです。
あと、いくら宇都宮だからと言ってもスタジアムが餃子臭いのには参りました。売店で餃子を売っているのは見ましたが、臭いがメインスタンドにまで漂っているのには参りました。餃子は大好きなのですが、自分が食べない時に2時間に渡って餃子の臭いを嗅いでいるのはきついです。


3−0でスコアを見ると完勝ですし、戦い方に不満があるわけではありませんが、ヴェルディのシュートが7本というのはどうなんでしょう。もう少し積極的にシュートを狙う姿勢がないと、ちょっと物足りないです。ボールを動かす技術には長けているヴェルディですが、動かせるが故に前に運べる部分でも余裕を持って後ろに戻してしまったりして、チャンスの芽を自ら消しているように感じる場面も多かったです。5分5分かもしれないけれど前に勝負する場面がもう少しあっても良いのでは。後ろに戻した挙句、土肥ちゃんの何処に飛ぶか分からないアバウトなロングキックに賭けるよりは、サイドから早めのクロスなり突破に賭けるほうがシュートチャンスが生まれると思うのですが。