代表監督支持率?

東アジア選手権における韓国戦の惨敗を受けて急に慌しくなった日本代表監督の座について、感じていることを少し。


内閣支持率という数字が良く新聞各社の紙面や各テレビ局のニュースなどで取り上げられますが、その統計としての正確性にはやや疑問が残りますが世の中の”雰囲気”は現している数字なのだろうなとは思っています。他の媒体の多くが支持率を20〜30%としている時に1社だけ70%と謳うわけにもいかないでしょうから、おおよその世の中の肌感覚を現している数字として捕らえています。高支持率にしろ低支持率にしろ、マスコミ各社が繰り返し報道すれば高いものはより高く低いものはより低くと極端に振れる傾向はあるでしょうが、それでも世の中の”雰囲気”からはそう離反していない数字が出るのでしょう。


そんな内閣支持率を現在の代表監督支持率に置き換えると、ざっと20%前後といったところでしょうかね。本物の内閣支持率だったら20%と言えば解散総選挙という大勝負に打って出るか、内閣総辞職をして静かに自ら身を引くか、究極の選択を迫られる低支持率ですね。幸いにも代表監督は次の選挙の心配をする必要はありませんから、監督本人としては自分への国民の(サッカーファンの)支持率なんて知ったこっちゃない。協会にとっても大事なのはお金を出してくれるスポンサーであって、サポーターの支持率なんて知ったこっちゃない、そんな気分なのでしょう。どこかの会長さんは抗議の電話が200本あったことを受けて1億2000万本だったらとかなんとか言ったようですから、代表監督の支持率が仮に20%だったとしても本当に痛くも痒くもないと思います。


でも、韓国戦の直後だったかフジテレビのスポルトで、『あなたはW杯で日本代表を応援しますか?』というアンケートをやっていて、結果を見たら応援する人が20数%で応援しない人が70数%という驚くべき数字でした。この質問自体もどうかと思う質問ですが(直接的に代表監督を支持するかしないかは協会との大人の関係を保つためにできなかったのでしょうが…)、結果は現在の代表に否定的な私でさえ驚くような低支持率でした。
先ほども書きましたがW杯後に総選挙があるわけではありませんので、支持率の高低は直接的に何かには結びつかないでしょう。しかし不支持という意思が川渕解任デモに結びついていったような熱い時代と違って、現在の不支持は限りなく代表への無関心に近づいているように思えてならないのです。


正直な気持ちとして現在の日本サッカー協会が本心から日本代表に強くなってもらいたいという純真な気持ちで運営されているとは思っていません。サッカー協会の仕事は代表関連だけではないでしょうし、日本サッカーが永続的にある程度の活動を続けていくためには代表チームの強弱より、協会にどれぐらいお金が安定的に流れ込んでくるか、の方が大問題なのは理解できます。基本的に協会はお金で動く組織であるという認識でいます。
でも、だからこそ、ここで早々と監督続投を決めてしまったのは最大の”下手こいた”選択なのではないでしょうか。本大会直前だというのに盛り上がらない世論と、それに輪をかけるような日本代表。現在の状況から考えても今回の組み分けを考えても、グループリーグ突破の可能性は低い。だったら余計なリスクはとらず仕事を増やさず何気なく本大会を惨敗して、「やはり死の組だった」と総括してしまえば一件落着ですから。


でもねぇ、私本人もそうですし私のまわりもそうなのですが、本当に信じられないくらいサッカー日本代表に対して無関心になっている人が増えているように感じるのです。本大会での成績はともかく、世の中の注目を6月まで引っ張っていくには監督交代がベストな手段だったのではないかと思うのです。今になって思えば代表監督としてのジーコさんは監督としての能力はともかくネームバリューとしては超一流の世界トップクラスでしたから商売的に本大会まで引っ張ったという事情も充分理解できます。しかし今の代表監督には引っ張る商売的なメリットがないのですよね。世界の旅人も代表人気について言及したようですが、このままの低空飛行で本大会を終えてしまうと2006年の惨敗後よりもさらなるサッカー不況が日本サッカー界を襲いそうです。


誰かが一言だけ会長(前と現)に呟くだけでいいと思うのですけれどね、『監督代えたほうが儲かりまっせ』って。