日本 - 韓国 - サッカーのある幸せ

helguera2010-05-24

こういう書き出しでエントリーを書くのはどれくらいぶりになるのでしょう。応援するマイクラブは監督の采配やチームの勝敗どころの騒ぎではなくここ１年ぐらいはずっとクラブ存続の危機の瀬戸際ですし、日本代表の監督にはおそらく日本人監督の中で最高に嫌いな岡田監督が就任して迷走しているし。まあ、実生活で仕事の環境が変わって前ほど試合をスタジアムに見に行くことができなくなったという生活環境の変化があったことは事実ですが、それ以上にサッカーを見ても愚痴やネガティブな思いしか出てこないというのも、それはそれでストレスなわけで。ということで意識的にサッカー周辺から遠ざかってきました。でも、いくら嫌いな監督が日本代表監督だったとしても、この時代の今の日本代表が国内で試合をするのは泣いても笑ってもこの試合が最後ですから、最期を見届けるような思いでスタジアムへと向かいました。

試合については、想像以上でも以下でもなく、ほぼ予想通りの結果。個人的は0-3での敗北を覚悟していましたから、予想よりは１点失点が少なかったのですが、自分達のサッカーなど跡形もなく、韓国に好き放題やられる日本代表を見るのは虚しい、悲しい心境でした。不思議と悔しさはありませんでしたが、最初から今の日本代表が何かできるとは思っていませんでしたから、そのせいで悔しさも感じないのだと思います。一時期は「早く監督が代わればいいのに」と思いながら試合を見ている時期もありましたが、ことここに至ってはもうそのタイミングも逸し、韓国にいいようにやられる日本代表を見ても腹立たしさすら感じません。むしろ試合後に韓国サポにブーイングではなく拍手をされている日本代表の選手達が本当に哀れです。協会の怠慢がまわりまわって試合の結果として出る、という当然の結末を見ているだけで。岡田監督ではワールドカップで戦える代表チームを作るのは無理だとずっと思っていましたが、でもそれは岡田監督が悪いのではなくそのような監督を監督の座にすえている協会が悪いと思っていますので、このような場で醜態をさらさざるを得ない岡田監督にも今では哀れを感じてしまっています。岡田監督には、耐え難い重圧の中で精神的に何かの線を越えてしまわないよう、心身ともに無事に大会を終えて日本に帰ってきていただくことを願うばかりです。

フランス大会予選の頃の日本と勧告のイメージは、韓国のパワーに対し技術の日本、という印象でしたが、今日の試合を見る限りパワーも技術も韓国を上回ることはできませんでした。特に後半の30分過ぎの韓国のループシュートをもし決められていたら、実際の１失点という以上に精神的にダメージの大きい失点だったのではないかと思っていました。相手をおちょくるような、相手のリズムを崩したりするプレーこそが日本が韓国を上回れる強みの部分だと思っていましたが、あのループシュートを決められていたなら10年ぐらい立ち直れないほどの力量の差を見せ付けられてしまったかも。もちろん実際には監督と選手が代わってコンディションの違う時期に再び試合をやれば日本が勝つことも充分ありうると思っていますが、ワールドカップ直前のお互いに本気メンバーで戦う壮行試合でやられた屈辱というのは、ただの１試合ではないような気がします。その意味では最後のＰＫはしょうがないにしても、本当にあのループシュートを決められなくて（最低限）良かったと思っています。

個々の選手のプレーについては、コンディションの問題なのか、各自の連携の問題なのか、チームの約束事の問題なのか、選手としてのピークを過ぎてしまった選手が多いのか、それらの要因を切り分けるのすら虚しいほどの出来でしたので特に何もありません。ただ、久しぶりに元ヴェルディの森本選手のプレーを生で見ることができたのと、反転からのＧＫ正面でしたが強烈なシュートを見ることができたのでそれについては純粋に嬉しかった。今の日本代表が目指しているようなパスをつないで選手が動いて手数をかけた攻撃には森本選手はなじまない選手だと思いますが、自分自身の周り3〜5ｍの一瞬の隙やスピードで相手と入れ替わってシュートを打てるのは選ばれているＦＷの中では森本しか居ないと思うので、本大会でも森本選手には大いに期待をしています。今回はスピード系の選手は選ばれていませんが、どちらにしろ日本が失点する可能性は非常に高く、相手に余裕を持って引いて守られる展開が予想されるので、スピード系の選手がスピードを上げて駆け抜けるスペースは日本には与えられないと思っているので、リードされている展開の中で相手に一矢報いることができるのは森本じゃないかと考えています。

何だか久しぶりでまとまりのない文章なのですが、試合が試合ですのであまりネガティブなことを書いてもとも思いますし。本大会での日本の試合が2002年の札幌で行われたサウジアラビアのような試合にならないことを願うばかりです。今日の韓国だって特に強かったわけでもうまかったわけでもありません。韓国チームの中には数人のキレている選手もいましたが、「あの足元の技術で代表？」というような韓国選手もいました。しかし、そんな韓国に好きにやられてしまう日本代表ですから、本大会での対戦相手を考えると、本気でサウジアラビア - ドイツ戦の再現を心配してしまうのです。
この２年半の日本代表に対しては色々と思うこともありますが、敗戦後の選手達の場内一週では、きちんと立って出来る限りの拍手を送りました。本当にことここに至っては、負けると分かっている戦争に知り合いを送り出すような、そんな悲壮感を感じてしまって一生懸命に拍手を送りました。
頑張れ、日本！