2010WC日記 5日目

昨夜は日本の勝利の余韻を感じる暇もなく、スカパーの試合後のオシムさんの話に集中してしまいました。次のオランダ戦に向けて、

「ロッペンは凄い選手だ、でも、オランダだって全員がロッペンなわけではない。ロッペンが凄い選手だからといっても、ロッペンだって1本の木に過ぎない。森を征服するために、1本の木の事ばかり考えても仕方がない。森全体を見て、攻略の方法を考えれば必ず付け入る隙はあるはずだ。オランダは主役であって、日本は脇役であることは確かだが、脇役だからといって最後まで舞台に立てないわけではない。脇役ではあるが、最後まで舞台に立ち続ける方法を考えよう」
(大いに意訳)

こんな話をされると、次のオランダ戦もいけそうな気がする、から不思議です。


ただ、一晩たって冷静に考えれば、日本が強かったわけではなく、やはり日本の強みは目的を持って90分間をスタメン11人プラス途中出場3人の選手たちがひとつのことをやり遂げたことです。サッカーの内容としては世界に誇れる内容ではないかもしれないけれど、結果は結果です。勝ち点3を取ったのは日本であってカメルーンではない。これは非常に素晴らしいことです。


直前の親善試合がうまくいかなかったことで、ある意味監督も選手もプライドを捨てて”弱者のサッカー”に徹することができた。表現として弱者の…と使っていますが、よく分からない自分たちのサッカーを貫いて玉砕するよりは何倍も偉いと思っています。相手と自分たちの戦力を充分に分析して、勝つための最善の方法を考える。短期決戦において決して間違った方法ではないと思います。このやり方を貫き通せばユーロでのギリシャのように快進撃をすることができるかもしれません。


でも、非常に残念なのが今のサッカーをするのに適した23人が選ばれているのか、その見切りをつけるタイミングが遅すぎたのではないか、という部分に疑問が残ることです。もっと早くから正しい現状認識ができていたなら、選ばれる23人も変わったのではないか、と思えてしまう。ただ、今さらそれを考えたところでどうなるわけでもないので、今はこのまま迷わずグループリーグ3試合をやり抜いて欲しいと思います。




で、今日の試合。
まずはニュージーランドvsスロバキア。この試合は90分間きっちり見たわけではありませんが、大味だけど面白かった。『ニュージーランドは日本より下手じゃね?』な〜んて思いながら見ていたら劇的な同点ゴールで追いついてしまうのだから、サッカーは分からんし、面白い。でも、ニュージーランドのGKのバックパスの空振りはワールドカップレベルでは、あり得ん。


そして今日の本命試合コートジボワールvsポルトガル。試合が始まって2〜3分でさっきの試合とは明らかに天と地ほどレベルが違うのは分かりました。パススピードやそれを受ける選手のテクニックなど、本当に世界トップレベル同士の戦い。でも、だから試合として面白いかというと、大味だったけどオープンな打ち合いだったニュージーランドvsスロバキアのほうが面白かったかも。まだ前半だけの感想ですが、後半は面白くなるかな。