日本代表 - Jリーグ選抜

東北関東大震災の被害状況を見るとこの世には神も仏もいないと思ってしまいますが、カズのゴールを見てしまうとサッカーの神様は絶対にいるような気がするから不思議です。


今回の震災で命や家族や家や仕事や様々な日常の生活を失ってしまった人々にとって、このチャリティマッチがどんな力を届けることができるのか、正直疑問に思っています。実際に被災のひどい場所にいる方々にとって、この試合をテレビで見たりラジオで聞いたりすること自体が難しい状態だし、被災後20日近く経っても未だに食料や燃料が行き渡っていない地域も多い。そんな現状の中ではまず必要なモノを送ることが優先で”何か”を届けることはまだ早いのではないか。正直そう思っています。
でも、何もしないより何かする。それも素晴らしい。


さて試合についてですが、前半の海外組を中心とした日本代表は素晴らしかった。長くても45分限定であることが事前に分かっていることや、海外はシーズン真っ最中でJリーグは開幕後すぐに中断中であるコンディションの違いを差し引いても素晴らしかった。ボールを奪ってからの攻撃に転じるスピードの早さ、そしてボールをゴール近くに運んでいく速さはJリーグ選抜を圧倒していました。Jリーグの日程問題で南米選手権への参加をどうするかという話が出ているようですが、このチームが南米選手権でどのような試合をしてくれるのか、見ることができないのは勿体ないと思います。選手選考に難しさはあると思いますが、海外組を中心にして何とか参加してもらいたい。


一方後半の45分はもうJリーグ選抜の独壇場。日本代表のチャンスでさえGKの川口の見せ場をあえて作っているのではないかと思うほどですし、攻撃にスピードは出ないとはいえ中村俊輔のサイドチェンジパスは素晴らしい。そしてキング・カズ。もう言葉を捜すのが虚しいほど、ありえないしそれしかない素晴らしいゴール。前半の遠藤や岡崎選手のゴールも素晴らしかったけれど、それすら引き立て役にしかならないほどの奇跡のようなゴールでした。ゴールが決まった瞬間に”カズは持ってるなぁ”と思いましたが、持ってるのではなくてカズの弛まぬ努力や姿勢が様々なものを引き寄せているのだなと思い直しました。当初は試合そのものにも疑問を感じた今日の試合でしたが、カズのゴールはきっと日本中に何かを届け、それはみんなに伝わったと思います。
あきらめるな、夢を捨てるな、希望を持とう、と。