日本代表 - なでしこリーグ選抜

帰宅して途中(2-0)からテレビで見ただけですし、録画するとか以前にこの試合が今日あることを知ったのも夕方だったくらいですからたいしたことも書けないのですが、140文字じゃ書ききれないような雑感だけ少し。


まずは雨の中この試合に2万人以上の観客が集まったことが感慨深いです。ワールドカップやオリンピックの予選など、公式戦の大事な試合が国立競技場で行われたことは過去にもありましたが、公式戦に向けたチャリティマッチとはいえ調整試合にこの観衆というのは凄い。ちょっと前までなら同じ国立でも霞ヶ丘ではなく西が丘でやっていたような試合なのに、やはりスポーツは勝ってアピールするというか、勝ったからこそ見ている人々に伝わるものもあるし、伝える手段も増えるし、そんなブームという一言で片付けられないような大きなうねりのようなものを感じる試合でした。


試合については、お互いに同じ土壌で育った選手達が試合をしているわけで、技術の差というよりもワールドカップという長い大会を闘って若干メンバーは入れ違ったけれどチームとして成熟している日本代表と、オールスターゲームのような寄せ集めのリーグ選抜という主に成熟度の違いが面白かった。代表チームの主だった選手達はパスが出る前からパスが来ると信じて動き出していて、そのことでパスコースが増えてさらにちゃんとパスがつながるようになるのに比べて、リーグ選抜チームはどうしてもパスを待ってしまうからパスコースが減って余計にパスがつながらなくなる。自分が見た範囲の前半の印象はそんな感じでした。しかし後半のリーグ選抜はハーフタイムで相当モチベーションを高めてきたのか、局面においては代表チームを上回るほどの個のパワーを見せてくれて、非常に面白い後半45分間でした。ちなみに私はリーグ選抜サポという気持ちで見ていたからこそ面白い後半だったのかもしれないけれど。


まあ代表チーム目線で言えば後半の途中からは選手交代を増やしてテストモードという色合いが強くなっていったのでしょうから、うまくいかないことは織り込み済みの試合かもしれません。それでも大野、澤選手が抜けてからの日本代表のパスのつっかえ具合はちょっとやばかったかもしれません。ここに選手がいるはずだ、ここにパスが出るはずだという信頼関係が揺らぎ始めてからの日本代表の攻撃の迫力は、個のパワー全開で推してくるリーグ選抜に負けていたように思えます。川澄選手の惜しい場面もありましたが、後半の見せ場はそれぐらいだったのかな、代表チームは。


その川澄選手ですが、よく動くし動きなおしますね。こんな動きを前にも見たことあるとデジャブ感覚で川澄選手の動きを目で追っていましたが、印象としては森島選手の動きにも似ているような、ちょこまかとしてサボらない動きを繰り返しているのが印象的でした。食わず嫌いに出ていたときに見せた可愛く愛くるしい表情はそのままに、でも動きは素早く賢く逞しい。あの小柄な体で力強くドリブルで切り込んでいく姿は堪りませんです。なんだか、アウディが一番似合いそうな選手ですね。しなやかで力強い。


佐々木監督も挨拶で言っていましたが、この試合についてはリーグ選抜の選手達の頑張りが素晴らしかった。ベテラン選手の意地と若手選手の「私を見て!」というアピールがとても面白かったし素晴らしかったです。リーグ選抜の小林選手がスライディングで宮間選手を潰したときはちょっと鳥肌モノでしたし、リーグ選抜の1点目になった木龍選手が持ち込んだ場面では思わず「自分で打てぇ!!」と叫んでしまったし。久しぶりに宮本ともみ選手も見ることができたので、予想以上に面白い試合でした。