日本 - 北朝鮮

helguera2011-09-02

埼玉スタジアムに行ってきました。
ワールドカップアジア3次予選という大事な試合の初戦なのですが、4カ国のうち上位2カ国抜けという今のレギュレーションだと、どうもいまひとつ緊張感というか緊迫感がありません。主力選手が何人か怪我で離脱していますが、監督経験の豊富なザッケローニ監督なら、大きくチームのバランスを崩す心配もない。北朝鮮だって2010年のワールドカップ出場国ですから、弱いわけはないということは分かっていますが、それでも試合前から心配なのは試合内容ではなく天気と国歌だったりします。


スタジアムに着いたのが試合1時間前でしたが、天候は台風特有の湿気が篭った空気だけど、風があるから何とかしのげるという感じでした。時折強く降ったりもしましたが、降り続けることもなく台風が日本上陸直前という条件にしてはまずまずの天気だったのではないかと思います。そして国歌斉唱ですが、札幌の悪夢で懲りたのか、JFAの歌手の選択は最高でした。テノール歌手の秋川雅史さんでしたが、大事な試合を前にガッカリする国歌独唱ではなくなによりでした。


さて試合については、観ていた場所がバックアッパーの28列というかなり天井界に近い席だったことと、日本代表のユニフォームがこの試合限定の改悪で背番号が金色で非常に見難かったので選手個々についての感想は控えめで。まあポジションとスパイクの色やプレースタイルでだいたいは分かりますが、勘違いもあると思うので全体の感想だけ。
エンターテイメントとして盛り上げなくてもいいから、もっとあっさりと勝ってくれ!


そりゃね、エンターテイメントとしては最高の結果ですよ、押しても押しても点が取れなくて、相手の時間稼ぎにイライラさせられて、相手のラフプレーでレッドカードまで出て、勝てないかと思いかけた後半ロスタイムの3分が経過した所での勝ち越しゴール。スタジアムの盛り上がりは最高だったし、テレビの前だってテンション高かったでしょう。でも、もうちょっと楽に試合を見せて欲しいものです。まあ、今日の試合は北朝鮮のGKと日本の攻撃陣の間合いがピッタリと合ってしまったというか、相手の演技まで含めて引き分けかもなぁという覚悟もありましたけど。試合後に倒れこんで起き上がれないGKの姿が印象的でした。良かれ悪しかれ今日ピッチ上にいた両国の全ての選手の中で一番目立っていたのは北朝鮮のGK君でしたね。


日本の攻撃については相手GKのファインセーブを差し引いたとしても、本田△の抜けた穴の大きさが良く分かる試合でした。日本の中盤やアタッカー陣の輝きは、やはりボールをしっかりと受けられてキープができてタメができる本田選手がいることで成立する輝きなのですね。本田、香川、(岡崎)という選手達が適度な距離感で連動することで相手のDFラインを混乱させ抜け出していく。今日の日本の攻撃は上から見ていると非常に単調で、相手のDFは防戦で忙しかったけど混乱して日本選手を捕まえ損ねるというほどは追い込まれていませんでした。ペースを握っているけれど相手を崩すほどではない日本の攻撃を見ながら、「テンポを変えるなら清武選手の投入だよな」と思いながら見ていましたが、清武選手が入ってもジリジリするような時間帯が続いてしまいました。


ハーフナー選手の投入は、有りっちゃ有りなんですよね。セルジオ越後さんはツイッターで主力が欠けてハーフナーの投入じゃ日本の選手層もまだまだ薄いねというようなことをぼやかれていましたが、本田のテクニックと強さというキャラクターが使えないのなら、高さというキャラクターを選択することは選択肢の違いであって選手層の薄さに起因するものではないと思うのです。そりゃ本田△が2人いれば1人が怪我しても心配ありませんが、やはり輝く選手はたくさんいないからこそ輝いていると言えるわけで、理想を追うことも大切ですが現実を見据えて目の前の問題を解決し乗り越えていくことも実務者の能力だと思います。そういう意味でハーフナーの召集と投入は全然OKです。


それにしても埼玉スタジアムで行われるワールドカップ予選のロスタイム劇的ゴール率は非常に高いような…。私の記憶だとそれも北側ゴールでの劇的ゴールが多いような気がします。サポには非公式だけどゴール地下にヤタガラスを祭った神社でもあるんじゃないかと思ってしまうぐらい、ワールドカップ予選での劇的な場面が多いような気がします。予選の次の試合もすぐにありますが、アウェイまで埼スタのゴールを持っていった方がいいんじゃないかと思うくらい。相手国が許してくれないでしょうけどね。