ブラジル - 日本 コンフェデ杯

ブラジルの皆さん、聞こえますか〜♪ ってネタにするぐらい日本の反対側で行われる今年のコンフェデ杯と来年のワールドカップですが、アジアの戦いも面白いけどアジアを突破したものだけに与えられるFIFA公式大会の試合はやっぱり面白い。緊張感というか、日本代表の余裕のなさがたまらないです。肉を切らせて骨を断つじゃないけど、真剣勝負はこれぐらいの緊張感がないと面白くないです。ただ、リアルタイムで見ようとすると視聴時間と睡眠時間がどうしようもないことになるのだけがちょっとつらい。


まあ、試合結果はあんな結果でしたけど、リアルタイムで見ていたときの感想がコチラ。

確かにブラジルのーが強いけどさ、弱いなりにピッチ上で互角にブラジルと戦ってる日本ってのもそれだけで胸熱でしょ? だって20年前のアトランタ五輪の試合と比べたらサッカーになってるじゃん、日本。

開始早々前半3分での失点はガックリきましたが、本当のワールドクラスと戦えることがこの大会の醍醐味なのだから、その醍醐味が開始3分で味わえたのだから、最高です。あの失点の場面を防ぐにはクロスを上げさせないことぐらいしか方法が思いつきません。左からのクロス、ポストプレーの落とし、そして寄せる間を与えないボレーシュート。飛んだコースはサイドネットの上部だし、あれをどう止めろっちゅーねん、って感じです。


でも、それを本大会の1年前に味わえるのはアジアで日本だけなのですから、それだけで大きなアドバンテージです。これから1年間、日本代表の守備陣はこの1点目、後半開始3分の2点目、そして試合終了間際の3点目の場面をどうやったら防げるのかを考えればいいんです。アジアでは想定できないし、海外リーグでも1対1での戦いは体験できるけど、ブラジルレベルの選手が連係して攻めてくる感じはバルセロナとでも試合しないと体験できないだろうから、この体験を基になんとか90分間を1失点ぐらいで切り抜けるイメージを作れればいいんじゃないかと思います。ワールドクラスの選手に1mのスペースを与えたら、1秒の時間を与えたら決められてしまう、それを90分間気を抜かずに続けなければワールドカップで優勝できないことが分かったはず。


そしてこの試合のもう一つの収穫は攻守や守攻の切り換えの早さが日本とブラジルでどれだけ違うのかということを体験できたこと。日本がボールを奪った瞬間にブラジルの選手が2〜3人でたった1人の日本の選手を囲みに来る。さすがに本田と香川はややキープできてましたが、他の選手は全滅に近い感じで攻撃の芽を潰されてしまいました。でも、本当はあのような攻守の切り換えを格下の日本がブラジルに仕掛けなければいけなかった。直前のアジア最終予選の試合や移動の疲れでベストのコンディションではないと思いますが、それでも意識の違いは体感できたはず。守備から攻撃に切り替わったときのまわりの選手のサポートとDFラインの押し上げなど、技術じゃない部分に大きな違いがありました。もちろん技術も違ってたけど、技術を1年で詰めることはできないけど、意識とやり方なら少しでも詰められるはず。


トルシエ監督だった時代にサンドニでフランス代表にチンチンにやられたことがありましたが、あの時はフィジカルで対応できていたのが中田ヒデ一人だけで、他の選手達は戦う以前の状態でした。でもそれから時間が経って、本田や香川以外でも例えば内田選手などは充分互角にやれていたし、短い時間でしたが前田選手なども普通にやれていた。ワールドカップ出場が決まった後の記者会見で本田△が個々のレベルアップと言っていましたが、私はそれはもう1年では間に合わないのでグループとしての意識の統一を図っていくしかないと思ってます。このブラジルレベルを相手にどうやってボールを前に運んでいくのか、どこで人数をかけて攻め込むのか、どこにボールを追い込んで奪うのか、それらの意識の統一を深めつつ選手層の幅を広げていく。その彼我の差がはっきり分かった大きな収穫のあった大切な試合でした。