日本代表のコンフェデ杯を終えて

3連敗を肯定してるわけじゃないけど、ザックに課せられたミッションをまず考えなければいけないと思う。
まずはアジアカップで結果を出す⇒優勝
WC予選を突破する⇒ぶっちぎりの1位通過
で、WC予選の最終戦(日本は日程を優遇されたけど)とダブってる日程のコンフェデ杯に協会はミッションを課したのか、課せるのか?

コンフェデ出場はアジアカップを自ら優勝したザックに対するボーナスでもあるわけで、それをどう使うかは協会が口を出すというよりはザックの専権事項のような気がする。
本来なら出場した南米選手権で終了していたかもしれない対強豪のテストマッチを止めさせたのも協会なので、ますます言えない。

現有戦力で本大会強豪国とどれくらい戦えるのかを見極める大会としてコンフェデを位置づけたときに、今回のザックの采配に何か問題あるかな。私はほとんどが納得のいく采配に思える。微妙な選手交代は結果論なので3敗という結果では全て失敗に見えるけど、一つ一つの交代の意味は汲み取れる範囲。

このような思考過程で振り返ったときに、ザックの3年弱の期間に文句をつけるような瑕疵は一つも見当たらないと思う。今のザックに文句を言う人たちは、日本代表が試合をする限り全勝を求めるぐらい、ザックに課しているミッションの要求レベルが高いのだろうか。

ましてや監督交代を唱える人に至っては、今から彼以上の監督を連れてこられる可能性をどれだけ高く考えているのだろう。もちろん可能性はゼロではないが、今まで積み上げてきたチームの経験値の放棄も意味しているわけで、とても現実的な思考とは思えない。

日本の現在位置はFIFAランク30位前後。常に努力をしていてこそこの順位も維持できるわけで、向上の気持ちを失った韓国の現状を見れば日本だって安泰ではない。ザックの采配は積極的戦闘的な分かりやすい采配じゃないから余計に文句が言いやすいけど、いつから日本はそこまで偉くなったのか。

サッカーに対する見方は自由だから肯定する人もいれば否定する人もいる。思想信条の自由は保障されているから、解任しろと言うのも自由。でも、時々は自国の立ち居地を振り返って確認しないと現実離れした論になる危険性があると思うし、本大会出場決定以降の日本はちょっと浮かれすぎかも。


ツイッターでつぶやいたことをまとめてみました。
確かにここ最近の日本代表の成績は芳しくない。でも、監督の交代や解任を考えなければいけないほど、今の日本代表は危機的状況なのだろうか。監督交代は最後の劇薬で、うまくいく時もあるけど、失敗することも多い。それでもなお、現状の日本代表はそこまでハイリスクな選択をしなければいけないほど追い込まれているのか。


アウェイヨルダン戦の負け以降、確かに流れはちょっと悪いです。でも、それは監督の責任と言わなければいけない内容とは思えない。PKの失敗は監督の責任でしょうか。選手の怪我やコンディション不良は? もちろんその選手を起用した責任やサブを育ててこなかった責任はあると思うけど、今の日本サッカー界には将来有望な選手は多いけど、今現在において世界のトップリーグで活躍している選手はごく一握りしかいないのが現実。仮定の話だけど今回のコンフェデでスタメン出場した選手が一斉に怪我人となってそれ以外の選手でチームを構成しなければいけない状況になったとしたら、まだまだ日本は強豪国どころか中堅国ですらなくなると思う。代表に呼ばれていないけれど将来有望な選手はいるけれど、強豪国との真剣勝負で戦力として計算できるかどうかはまったくの別問題です。それらを掬い上げるのがこれからの東アジア選手権の試合でもあるので、ザックは日本代表の扉を閉ざしているわけではない。アジアカップ優勝までを第一期ザックの日本代表とするなら、本大会出場決定までの第二期がちょうど終わった所。ここから先が監督の腕の見せ所であり、今までの鉄板営業を離れて冒険が少しだけできる第三期です。起承転結で言えば一番面白い転の部分なのに、そこを見ずして何を楽しみにするのだろうって感じです。
もちろん結は本大会の結果で、ハッピーエンドになるのかバッドエンドになるのかは分かりませんけどね。