2つの総集編

昨夜はテレビで総集編を2作品見ました。総集編といってもアテネオリンピックものではなくて、ツール・ド・フランス列島縦断 鉄道12000kmの旅の2本立てです、超豪華。


まずは英雄たちの夏物語 ツール・ド・フランス2004から。
今年のツール・ド・フランスの前半戦のダイジェストなのですが、当たり前のことかもしれませんが、今年初めてツールを見出した私との視点の違いにびっくりです。これは総集編がおかしいのではなくて、過去の戦いや選手達の名前、チーム名も知らずに今年見始めた私にとっては、この総集編の編集者とは違ったレースを見ていたかのようでした。
ステージ毎のレース展開やゴール前スプリントは覚えているものばかりなのですが、そこに至るまでの落車やパンク等で脱落していく有力選手たちを私は知らないで見ていたので、全然違ったレースに見えていました。でもその分、ベッティーニ選手やボエックラー選手に対する思い入れは画面の中から素直に自分の気持ちの中に入ってきたのですから、何も知らなかった自分にこそ見えていたものもあったのかもしれません(ないないってば……自分)。自分の中ではボエックラー選手は前半のツールの中心にいました。


レースそのものについて言えば、本当に前半は落車が多かったのですね。後半戦ではあんなに落車はなかったですものね。また、前半で有力選手が次々と消えていき、波乱の少ない後半戦になったのでしょう、自分には良く分かっていなかったけれど。
それと、今再び見直してもチームタイムトライアルUSポスタルチームの走りは鳥肌ものですね。こうして総集編で振り返ってみると、USポスタルのサポート役の選手たちも前半は随分トラブルに巻き込まれているのですが、最終日に感じたようにチームが最後まで乱れていないマネージメントは他のチームと比べて優れているのでしょうね。それとも、ランス選手がいることそのものが、チームの中に落ち着きと張り詰めた厳しさをもたらしているのでしょうか。


もう一つの総集編ですが列島縦断 鉄道12000kmの旅について、これは今年の5月頃にNHKでやっていた番組の総集編です。
旅人の関口さんが5月6日に北海道の稚内駅を出発し、九州の肥前山口駅に6月23日に到着するまでの様々な出会いを綴った片道切符の鉄道の旅です。もともと旅が好きだということもあるのですが、今日あらためて列島縦断 鉄道12000kmの旅の総集編を見て、自分がこの番組に惹かれるのは旅そのものではなくて、旅の途中の素晴らしい風景との出会いであるとか、素敵な人々との出会いであるとか、そういうものに惹かれているのだなと気がつきました。
また、番組の中で旅人の関口さんも言っていましたが、出会う風景の中に自分の心の奥のほうを揺さぶってくるような風景っていうものが確かにあるのですよね。車での旅とは違って、鉄道の旅はそういう心揺さぶるような風景の中を進んでいくのかもしれません。新幹線や特急ではない各駅停車の列車の車窓から見えている風景はそんな日本の原風景ばかりのようです。


もちろん私も何度かは海外に行ったこともありますし、そこでも様々な綺麗な風景を見ていますが、本当に自分の心に訴えかけてくる風景は日本の山里の風景、緑が深い山、どこまでも続く田園、きれいな水の川、湧き出ている泉、そんな風景なのです。東京で生まれて埼玉で育っているので故郷と呼べるようなところはない私ですが、そんな風景に出会うと思わず『懐かしさ』が浮かんでくるのですよね、不思議と。
この旅の総集編は今日、明日もNHK−BSで23時からあるようです。まだご覧になっていない方で、日本の風景が好きな方はぜひ見てみてください、お勧めです。あと、昔若いころに自分も旅をしていた人は、人との出会いと別れにジーンときてしまうかもしれません、ご注意を。